導入事例

Salesforce®を導入しデータに基づく「科学的な営業」を実践、長期プロジェクトに対応するカスタマイズで売上予測の精度を上げる

BIツールと組み合わせ迅速な意思決定ができる体制を構築
株式会社清和ビジネス様

株式会社清和ビジネスは、オフィス・学校・医療機関などの空間デザインを手掛けるとともに、アスクル代理店として購買ソリューションを提供し、働く場所の環境改善、生産性・創造性の向上を支援している。同社では、2019年にアスクル営業部にSalesforceを導入したのを皮切りに、2020年にはその適用範囲をオフィス営業部へも拡大。オフィス営業部では、MAツール、BIツールも導入することで、データを活用した「科学的な営業」を実現する体制を構築しつつある。

課題
  • 業務運用が属人的になっており、データを活用した営業ができていなかった
  • 業務特有の長期プロジェクトに対応できるIT環境が必要だった
解決
  • Salesforceの導入により、全社員がデータドリブンな業務スタイルを確立
  • Salesforce上でBIツールを活用し現状や今後の売上予定を迅速に把握
導入したソリューション・サービス
お客様情報
本社 東京都中央区日本橋室町4-3-18 東京建物室町ビル7F
事業沿革 1962年に株式会社岡村製作所(現:株式会社オカムラ)の特約店として創業、「感動と喜びをデザインする」をモットーに、オフィスソリューション、オフィス構築、購買ソリューション、専門施設ソリューションなどの事業を展開する。
URL https://www.seiwab.co.jp/

Excelベースの業務からの脱却を目指しSalesforceを導入

株式会社清和ビジネスは、「感動と喜びをデザインする」を企業理念に、企業・学校・医療機関などの働く場のデザインと、アスクルを中心とした購買支援サービスを事業としている。

2017年に社長に就任した勝本浩史氏は、「社員の自由な働き方を実現するための業務の可視化」と「営業の基礎体力向上(利益追求)を目的とした顧客データベースの整備と顧客接点の構築」を掲げ、営業組織および業務全体の改革を目指すこととした。

勝本氏就任以前の同社は、業務運用が属人的で、データを活用した「科学的な営業」がなかなか進まない状態だった。営業業務ではExcelを使うことが多く、情報の管理や報告もExcelベースで行われていた。そのためファイルの作成および修正作業に多大な労力が発生し、最新かつ正確なデータに基づいた意思決定が困難になっていた。

「こうした課題は経営層だけでなく、現場の管理層も強く意識しており、早い段階からSalesforceの導入を望む声が届いていました。社長の勝本も前職での経験などからSalesforceの導入を強く推していて『Salesforce上ですべての業務プロセスを完結させられるようにすること』を掲げていました」と語るのは、企画部 マーケティング室 室長 副参与 彦井永子氏だ。

企画部 マーケティング室 室長 副参与 彦井永子氏

Salesforce導入の際に同社が参考にしたのが、オフィス向けのサービスを展開する大手パートナー企業のユースケースであった。業務範囲や導入システムの違いもあったが、Salesforceの開発パートナーとして、同社の導入を支援したアグレックスを紹介され、採用した。

そして2019年に、まずアスクル営業部へSalesforceを導入。その後、2020年にオフィス営業部へSalesforceを導入し、さらに2021年にはセールスリード獲得拡大を目指してMAツールの導入も支援した。

BIツールにより営業状況の把握・予測を迅速に

オフィス営業部への導入にあたっては、クリアすべき課題もあった。オフィス営業部の業務は数ヶ月単位の長期プロジェクトであり、プロジェクトの途中でさまざまな変更が発生する案件が多いという特徴がある。そのため「確度の高い売上予測が立てられない」「これまで慣れ親しんだExcelライクな操作ができないと、『使われないシステム』になりかねない」という。

「我々の業務には、1件のプロジェクトが長期にわたり、何回も見積もりを出し直し、1つの見積もりにたくさんの明細が付随するといった特徴があります。そこで我々の業務に詳しいことが、パートナー選定の必須条件でした。アグレックスは業界特有の業務フローと基幹システム(販売管理システム)とのデータ連携についても理解が深く、当社に適したSalesforceのカスタマイズ構築のプランを迅速に提示してくれました」と彦井氏は語る。

前述したように、オフィス営業は長期間にわたるプロジェクトになるため、案件が進捗していくなかで変更も多く、何度も見積書を出し直す必要がある。さらにプロジェクト遂行中にもさまざまな要件が変更されるため、最終的な収益を確保するには最新データを把握することが重要になる。

そのためにSalesforceと販売管理システムとを連携させ、データ入力の迅速性と正確性を上げているのだが、最新状況のレポートに時間がかかっていては意味がない。

また、それまで同社では、営業部内の約20チームがそれぞれ個人別の売上、粗利、期中の実績と予測をExcel上で管理していた。月次の集計や各チームの数値を集計した別のExcelを作成する作業を事務局が行っており、多くの工数がかかっていたことに加え、役員会議でも使用する資料のためスピードが求められていた。

そこで、それらの業務を効率化させるためアグレックスが提案したのが、ウイングアーク1stのBIツール「MotionBoard Cloud for Salesforce」だった。これにより、上司への報告目的も含めた案件の進捗や売上情報の表示、事務局が担っていた月ごとの報告書データの表示をSalesforce上で自動的に行えるようにした。

企画部 秘書室 参事 和田春菜氏は、「Salesforce画面上で稼働するMotionBoardのダッシュボードで、会議資料などの必要な情報を速やかに表示できるようにしました」と語り、こう続ける。

企画部 秘書室 参事 和田春菜氏

「月次の集計資料をExcelで作成していたときには作業や確認中に修正が入り、次の作業に遅れが生じることもありました。営業担当者によるSalesforceへのデータ入力を期限を定めてルール化したことで、各営業チームの月次ファイル作成を自動化でき、営業と上司間の報告も、口頭やExcelでのやりとりからSalesforceを確認するものになりました。従来は、月初に2人がかりで3日かけて実施していた報告作業が、1人で20分程度でできるようになりました」

現在、「物件管理」と「予実管理」のダッシュボードが稼働しており、物件管理では営業担当者別、チーム別、月別で一覧表示されるようになっている。このため長期のプロジェクトであっても、契約明細や見積、月別の売上などが分かり、営業担当者ごとに抱えている案件数も把握できる。予実管理では、物件管理のデータを吸い上げ自動集計で上期・下期・通期の数字を一覧できる。また案件の確度別にフィルタリングし、最終的な売上の最高値と最低値をシミュレートすることも可能だ。これらのダッシュボードを活用することで、オフィス営業部は、3~12ヶ月分の案件について毎月、月ごとの売上予測、粗利予測を報告できるようになった。これまでの「都度部署ごと・チームごとのExcelファイルを突合・作成し、月一で過去の実績を見ながら判断する」から、「ダッシュボードを見てリアルタイムでの営業実績を見ながら判断する」という、迅速な経営判断を下せるようになった。

また「Excelライクな操作」についても、アグレックスはこれまでのSalesforce実績・ノウハウから、その対処方法を十分に把握しており、独自のカスタマイズによって、利用者に抵抗感なく受け入れられる操作性を実現できた。

Salesforceに蓄積された予測数字をもとに、HRの管理も合理的に

もともと営業に関するデータは販売管理システムに入っていたが、操作が難しいこともあって、一部の営業担当者しかデータ活用ができていなかった。

「販売管理システムと連携したSalesforceを活用することで、多くの営業担当者が全社的な営業の状況を簡単に理解できるようになり、案件の限界利益が可視化されるようになったことが大きな効果です。まさに属人的な手法を脱して科学的な営業ができるようになり、レベルの高い戦略を立てながら業務を進めることができるようになったのです」と、彦井氏はあらためてSalesforceの導入メリットについて話す。

このほか、エンジニアリング部門では、休日および深夜出勤の管理などリソース管理がしやすくなっている。Salesforceで案件に関する予測が立てられているため、それを参考に外注業者のアサインのコントロールもしやすくなったのだ。オフィスの移転などにもかかわる同社では、どうしても休日や深夜での仕事が発生するが、営業関連データが充実し予測の正確性も高まったことで、ヒューマン・リソース(HR)管理もレベルアップした。

また、営業担当者によるデザイン・エンジニアリング部門への業務依頼も100パーセントSalesforce経由で行われるようになった。これまでは紙書類で依頼していたケースもあったが、すべてSalesforce経由となったことで、デザイン・エンジニアリング部門の業務負荷も軽減されている。

今後も同社では、Salesforce上で業務のすべてができる環境を目指して、活用をより高度化していく計画だ。アグレックスとのパートナーシップをさらに深め、Salesforce活用による営業分析・戦略立案や、業務可視化・自動化による業務効率化など、さらなる競争力強化に取り組んでいくとしている。

アグレックス担当者から

清和ビジネス様とは、SalesforceをはじめMAツールやMotionBoardのご導入に携わらせていただき大変感謝しております。
今後も「科学的な営業」が実現できる環境づくりの幅をより広げていけるよう、Salesforce活用を皮切りに、さまざまなご提案やご支援に取り組んでまいります。

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  • 記載されている情報は、取材当時(2023年5月)のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。