BPaaSとは?BPO・SaaSとの違いや導入成功のポイントを解説!

「BPaaS(ビーパース)」という言葉をご存知でしょうか?
BPaaSは、BPOとSaaSを掛け合わせることで、コストを抑えながら業務の自動化や最適化が可能となる新しいサービス形態です。労働人口の減少などを受け、自社の経営資源をコア業務に集中させることなどを目的に、さまざまな業界において業務のアウトソースが進むなか、BPaaSへの注目が集まっています。
本記事では、BPaaSの概要から、導入のメリット・課題、成功させるポイントまで詳しく解説します。
BPaaSとは?クラウド型業務プロセスの新潮流

BPaaS(Business Process as a Service)は、クラウド上で提供される業務プロセスのアウトソーシングサービスです。
従来のBPO(Business Process Outsourcing)とは異なり、単なる業務委託ではなく、クラウド基盤とAI・RPAなどの最新技術を活用し、自動化や最適化が進められています。これにより、企業は大規模なITインフラを持たずに、デジタル化された高度な業務プロセスを利用できるようになります。
BPaaSが注目される背景には、DXの加速や企業の業務効率化ニーズの高まりがあります。急激なビジネス環境の変化が進む中で競争力を維持・強化していくためには、変化に迅速に適応することが求められていますが、従来の業務システムでは柔軟な対応が困難でした。
しかし、BPaaSを活用すれば、必要な業務機能をクラウド経由で迅速に導入でき、コスト削減や業務の最適化が可能となります。特に、AIやRPAと連携することで、バックオフィス業務の自動化やデータ処理の効率化が進み、企業競争力の向上につながっています。
BPaaSの特徴とBPO・SaaSとの違い

BPaaSは、BPOやSaaSと密接に関連していますが、それぞれ異なる特徴を持ちます。
BPOは、企業の業務プロセスの一部を外部に委託する形態であり、従来は人の手による業務代行が中心でした。一方、BPaaSは、クラウド上で業務プロセスを提供し、AIやRPAなどの技術を活用して業務の自動化や効率化を図る点が特徴です。
また、SaaSは特定のソフトウェアをクラウド上で提供するのに対し、BPaaSは業務全体をクラウドで提供し、複数のSaaSと統合することで、財務管理や人事管理などの業務を包括的に最適化します。これにより、企業は個別のソフトウェア導入やカスタマイズの手間を削減しながら、一元的な業務プロセスのデジタル化を進めることができます。
BPaaSのメリット

BPaaSの導入は、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。
まず、コスト削減と業務効率化が挙げられます。従来、企業はITインフラの構築やシステム運用・保守に多額のコストをかけていましたが、BPaaSを活用することで、これらのコストを削減できます。また、AIやRPAを活用することで、人手に依存していた業務を自動化し、業務の効率化を図ることができます。
次に、システムやビジネスの規模が変化したときにフレキシブルに対応できることもBPaaSの大きな魅力です。企業の成長や市場環境の変化に応じて、必要な業務機能を柔軟に追加・削除できるため、無駄なコストを抑えながら最適な業務プロセスを構築できます。
さらに、最新技術の活用が容易であり、AIやビッグデータ解析との連携により、企業のDXを加速させ、競争力を強化することが可能になります。
BPaaS導入の課題と成功させるポイント

BPaaSの導入には多くのメリットがありますが、いくつかの課題も存在します。
既存システムとの統合の難しさがその一つです。企業の基幹システムや他のSaaSとの連携が求められるため、適切なインターフェースの設計やデータ移行が必要になります。また、社内の業務プロセス変更への適応も導入時の障壁となることがあります。従業員が新しいシステムに慣れるまでのトレーニングや業務フローの見直しが必要になるでしょう。
これらを踏まえ、BPaaS導入を成功させるためには、スモールスタートで部分導入を行うことが効果的です。最初から全業務をBPaaSに移行するのではなく、特定の業務プロセスから段階的に適用し、成功事例を積み重ねることでスムーズな導入が可能になります。
アグレックスが展開する保険販売におけるBPaaSモデル
BPOのパイオニア企業であるアグレックスでは、BPaaSモデルのひとつとして、デジタル完結保険の専門家である株式会社justInCaseTechnologies(以下:jicTech)と連携し、保険の商品設計から業務運用まで支援するBPaaSモデルを構築しています。

本BPaaSモデルは、jicTechが提供するSaaS型保険システム「joinsure(ジョインシュア)」と、多様化する顧客ニーズにマッチした商品設計コンサルティング、アグレックスが提供するBPO分野での業務運用とそのノウハウを活かした最適な業務プロセス設計コンサルティングで構成されています。
本BPaaSモデルを導入することで「保険事業立ち上げノウハウゼロ」「業務運用要員ゼロ」「システム保守運用ゼロ」でBPaaS導入を実現します。
また、最初から大規模なシステム導入は行わずにBPOのみで運用を開始するなど、スモールスタートにも対応しています。法改正への対応やビジネス規模・処理件数の変化に応じて、コスト面・効率面においてバランスを考慮した柔軟な活用が可能です。
アグレックス×jicTechの保険販売におけるBPaaSモデルの詳細はこちら
まとめ

BPaaSの導入は、企業のDX推進において大きな鍵を握る重要なステップです。
一方で、BPaaS導入には課題も存在し、既存システムとの統合や、社内の業務プロセス変更への適応といった点を考慮する必要がありますが、特定の業務プロセスから段階的に適用し、成功事例を積み重ねることでスムーズな導入が可能です。
自社に合うBPaaSを選択し適切な戦略をもって導入を進めることで、企業の業務改革を加速させ、持続的な成長につなげることができるでしょう。
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