コラム
2024年2月6日

今注目されているアセットライト経営とは?成功のポイントはBPO活用!

アセットライト経営
BPO

近年、ビジネス環境の変化が加速し、企業は競争の激化や技術の進化に迅速に対応する必要があります。そんな中で、現在注目されているのが「アセットライト経営」です。

アセットライト経営は、企業が所有する資産を最小限に抑え、外部の専門業者に業務の一部または全部を委託する経営手法で、企業がアセットライト経営を成功させるポイントとなるのがBPOの活用です。
本記事では、アセットライト経営の概要と、戦略の成功に向けたBPOの活用について解説します。

アセットライト経営とは?

アセットライト経営は、企業が資産(Asset)の保有を抑えて、財務を軽く(Light)することを目指す経営手法です。

資産を所有するのではなく外部企業に委託したりリースしたりすることで固定費を削減し、変動費を増加させ、財務体質を軽くすることにより市場の変動に柔軟に対応できるメリットがあります。

メリット:財務リスクの軽減

最大のメリットは、事業で発生しうる財務リスクの軽減が可能なことです。

アセットライト経営により保有する資産を圧縮することで、減価償却費などの固定費を減らしコスト削減につなげることができ、圧縮で得られた資産を主力事業に配分することで、収益性を高めることができます。

また、保有からリースに切り替えることで、建物や自動車等の資産の調達や劣化で発生する資金や損失を軽減することができます。

デメリット:サードパーティリスクの高まり

デメリットには、サードパーティ(第三者)リスクが高まることが挙げられます。

例えばリースなどを活用する場合は、資産の供給停止や品質の低下、情報漏えい等による信用低下など、サードパーティが自社の事業に及ぼすリスクや脅威があるため、信用のおける会社と取引を行う必要があります。

また資産を手放すことで、将来的に資産が必要になった場合には再取得するための費用がかかる可能性もあります。


アセットライト経営は多くの企業が採用している手法ですが、このように実践にあたってはメリットだけでなくデメリットがあります。
アセットライト経営のメリット・デメリットを理解したうえで、自社の経営戦略に取り入れましょう。

アセットライト経営のためのBPO活用法

BPOとは

BPO(Business Process Outsourcing)は、企業が自社の業務プロセスの一部または全部を外部の専門業者に委託することです。

対象の業務プロセスの企画・設計から、実施、分析までを専門業者が一貫して対応するため、最適な業務プロセスの構築と、高品質なオペレーションが期待できます。

昨今の日本の労働人口の減少により、BPOの需要が高まっていますが、アセットライト経営の観点でもBPOへの注目が集まっています。

BPO活用のメリット

資産の最適化

企業が特定の業務を外部に委託することで、内部の資産を最適化することができます。

例えば、バックオフィス業務やカスタマーサポートなどのノンコア業務を外部に委託することにより、自社の経営資源をコア業務に集中させることができます。

柔軟性とスケーラビリティ

アセットライト経営において、企業は市場変動や需要の変化に柔軟に対応する必要があります。

BPOを活用することで、企業が事業拡大を計画している場合には、業務量の増加に対応するため業務の委託範囲の拡大や委託内容を高度化したりすることができます。同様に、業務量の減少に対応して、業務の委託範囲縮小や委託内容の簡素化をすることができるため、企業経営の柔軟性を高めるメリットがあります。

BPO活用のポイント

アセットライトを実現し、需要の変化に柔軟に対応していくためにはBPOの活用が効果的です。
それではBPO活用にあたってはどのようなポイントがあるのでしょうか。

対象業務の選定

はじめに、外部委託が有益となる業務を見極めるため、現状業務プロセスの可視化・分析を行うことが必要です。

ノンコア業務やリソースが限られる業務を特定し、BPOの活用により期待できる効果を検証したうえで、自社で対応する業務とBPOを活用する業務を決定していきます。
現状業務プロセスの可視化・分析から外部企業と共同で行うケースもあります。

適切なBPO企業選定

BPO活用の成功には、信頼性の高いBPO企業の選定が不可欠です。

給与計算や福利厚生、会計などを代行する間接業務アウトソーシング、システムの運用管理を代行するITアウトソーシング、コンタクトセンターなどの運用を代行するなど顧客対応アウトソーシング、企業のコア業務に付随するバックオフィス業務を代行する業種固有アウトソーシングなど、BPO企業によって得意分野や特色があります。
委託したい業務の性質を鑑みて、業界やニーズに合った専門性を持ち安定したサービスを柔軟に提供できるBPO企業を選ぶことが重要です。

継続的なプロセス改善

BPOの導入後は、プロセスの効率性や品質に関する継続的なモニタリングと改善を行うことが重要です。

進捗状況の透明性を維持し、BPO企業とのコミュニケーションを密にすることで、業務品質の維持向上が実現されます。

最新テクノロジーの活用

BPO企業は、企業の業務・品質改善に向けて最新テクノロジーの活用を積極的に行っています。

専門知識を持ったBPO企業の支援により、自社業務にこれらの最新テクノロジーの選定・導入することで、さらなる業務効率化や品質向上が期待できます。

BPOの将来展望

国内のBPO市場規模は、今後も拡大していくと予測されています。

またBPOの対象範囲は、従来は人事・総務・経理などの間接業務に限られていましたが、近年は製造・物流などのオペレーション業務や、IT・データ分析などの専門性の高い業務にも拡大しています。

今後も、BPOの対象範囲はさらに拡大していくと考えられています。このような多種多様な業務を効率化するために、AIやRPAなどのテクノロジーの活用も進んでおり、業務の効率化やコスト削減を実現していくことができます。

BPOの活用は今後の企業成長・競争力強化において、重要なカギとなることでしょう。

まとめ

BPOの活用は、アセットライト経営を実現するうえでの重要なカギです。

企業は柔軟性と効率性を兼ね備えたアセットライト経営を推進するために、BPOを戦略的に組み込むことで、将来にわたり競争力を維持し、成長を遂げることができます。

BPOの進化を取り入れ、アセットの最適化と効果的な業務プロセスの構築を通じて、企業は変化の激しい市場環境において成功を収めることができるでしょう。

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