コラム
2023年7月11日

インサイドセールスとは?メリットや成功させるためのやり方を解説

インサイドセールス
顧客育成
データ利活用

企業における営業活動は日々変化しており、近年はインサイドセールスのあり方や重要性に注目が集まっています。インサイドセールスは、戦略に基づきオンラインを中心に顧客育成を行い、フィールドセールスにつなげる重要な役割です。

本記事では、インサイドセールスの概要やメリットと、実際の事例をもとに成功に必要なポイントを解説します。自社の営業活動に限界を感じている方や、より効率的な部門運営を検討している方におすすめです。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスは、営業活動のプロセスにおいて顧客育成の役割を担います。営業活動はマーケティングからインサイドセールス、そしてフィールドセールスへと進みますが、インサイドセールスは、見込み顧客に対して非対面でヒアリングや情報提供を行います(リードナーチャリング)。
ここではインサイドセールスの概要を解説します。

インサイドセールスは2種類に分かれる

インサイドセールスはSDRとBDRの2つに分類できます。

1つ目のSDR(sales development representative)は「反響型」とも呼ばれ、国内で一般的に採用される手法です。自社が提供する資料やオウンドメディアでの問い合わせに対して、電話やメール、チャット、ウェブ会議を活用して顧客にヒアリングや情報提供などを行います。

SDRの場合、見込み顧客はすでに自社サービスに興味を持っている状態のためアプローチが容易ですが、顧客の熱が冷めない適切なタイミングでのコミュニケーションが大切です。

2つ目のBDR(Business Development Representative)は「新規開拓型」と呼ばれ、自社から見込みがある企業や顧客に対してアプローチを行う手法です。アウトバウンド型のため顧客の意欲は読み取りにくいですが、自社においてベネフィットが明確な企業へのアプローチに適しています。

フィールドセールスから分業型セールスへの変化

インサイドセールスが重要視される理由のひとつとして、営業活動の効率化があります。従来のフィールドセールスでは、営業活動の範囲は見込み顧客の育成から受注まで一括で担う企業がほとんどでしたが、営業活動の範囲が広いと効率が悪いうえに担当者の専門性が低いという課題を抱えていました。

この課題を解決するために営業活動の細分化を進め、営業活動をマーケティング、インサイドセールス、そしてフィールドセールスの3つに分業。各プロセスに人材を特化させることで効率的かつ専門的な営業活動が可能になりました。

なぜ今インサイドセールスが重要なのか?業界の動向

近年は市場の飽和化が目立つことから、サービスや商品の選定において信頼関係の有無や充足感に重点をおく顧客が増加しています。このような顧客の購買活動の変化からも、顧客が求める情報を届けるマーケティングや、適したタイミングに電話やメールなどで接触するリードナーチャリングとしてのインサイドセールスが必須となっているのです。顧客のニーズを読み解き、契約につなげるには十分なヒアリングと情報提供が欠かせません。

一方で、近年はどの業界も業務の効率化や人件費の削減に注力しています。営業活動を限られた人員や時間で行い成果を出さなければいけないため、見込みの高い顧客をターゲティングしてアプローチすることが求められます。限られた時間で成果を求められる近年において、時間の消費を最小限に留めるために非対面かつ適切なタイミングでアプローチを行うインサイドセールスは重要な役割を担います。

インサイドセールスに取り組むメリット

重要性が増すインサイドセールスには2つのメリットがあります。インサイドセールスの強化により効率的なリードナーチャリングはもちろん、データの蓄積と適切な利活用が可能となります。

効率的なリード創出が可能

インサイドセールスの強化はリード創出(リードジェネレーション)に効果的です。マーケティングからフィールドセールスまで特定部署が一貫して担う場合、人員と時間のリソース不足から見込み顧客に対するフォローがおざなりになります。その結果、本来は契約につなげられる顧客に対して適切なアプローチができず機会を逃す可能性があります。

インサイドセールスでは、現地に赴かずとも見込み顧客に対して適したタイミングや方法(メールや電話)でアプローチができるため、リード創出に効果的です。

商談プロセスデータを獲得・蓄積しやすい

インサイドセールスは電話やメール、チャットを活用して見込み顧客との関係を強化します。これらの手法にあわせてCRMやSFAを活用すると、蓄積する顧客情報(データ)が集めやすくなります。さらに、集めた情報を一度精査したうえでフィールドセールスに共有することで顧客に適したアプローチが可能です。

インサイドセールス導入における課題

ここでは、インサイドセールス導入の注意点を2つ解説します。

体制の構築や運営が難しい

成果につなげるインサイドセールスの実行には、専門性の高い人材の登用や社内体制の構築が必要です。蓄積したデータを適切に扱える人材がいなかったり、部署の体制が整っていなければ失敗に終わります。

効果的な活用が難しい

商談内容や問い合わせ内容から入手した情報は、顧客の意向を示す重要な要素です。しかし、それらを分析するためのツールを導入しておらず、データ分析のノウハウがなければ、効果的な活用ができないことがあります。

どれだけ顧客情報を持っていても、営業活動に活かせなければ価値はありません。データを適切に活用し顧客獲得に役立てることが大切です。

インサイドセールスを成功させるためのやり方やポイント

インサイドセールスの成功のカギは、顧客育成とデータ利活用です。ここでは顧客育成とデータ利活用について理解を深めましょう。

顧客育成

顧客育成は、見込み顧客を購入につなげるまでの流れを指します。何らかのアプローチから流入した見込み顧客に対してオウンドメディアやメルマガ配信、セミナーなどを通じて自社情報を提供します。さらに購入に至った顧客に対しては、購入後も適切なタイミングでフォローを行いリピーターとして育てていきます。顧客との関係性を強化し、一度の購入だけでなく自社のファン(優良顧客)として定着化を目指しましょう。

データ利活用

顧客と接触するたびにさまざまなデータを入手できても、適切な蓄積と分析を行わなければ購入や顧客獲得にはつながりません。セミナーや商談における会話内容や、資料請求から得た顧客情報や応対履歴などを、データとして蓄積し分析することで顧客獲得に向けたアプローチへ活用することが欠かせません。

インサイドセールスの活用事例

ここでは、実際に顧客育成やデータ利活用によりインサイドセールスを成功させた事例を2つ紹介します。

保険代理店向けの事例

保険会社では、営業担当が営業事務や代理店からの照会対応に追われ、新規獲得に向けた営業活動に時間が割けないという課題がありました。また、新商品や商品改定の際などに、特に遠方代理店への訪問が難しく、自社保険商品の特徴を伝えきれず積極的に販売してもらえないという課題を抱えていました。

これらの状況を解決するためインサイドセールスを導入、営業担当に代わりインサイドセールスが代理店からの問い合わせ対応や研修フォローを実施しました。また、新商品や商品改定の際の代理店向け案内については、遠方代理店も含め代理店ごとに担当者をつけて定期的にきめ細かなフォローを行いました。

その結果、代理店対応にかかる業務量を削減でき、さらに各代理店との関係強化による新規契約数アップに成功しました。

保険募集受付の事例

生命保険会社の新規事業チャネルの立ち上げにあたり、コールセンターや資料発送・申込受付事務の体制が必要になりました。また、委託業者をわけることによる管理の手間やコストへの不安から、これらをまとめて委託したいという課題がありました。

これに対し、インサイドセールスを導入することで、保険会社に代わりインサイドセールスによる見込み顧客からの問い合わせ受付コールや、資料送付および近隣代理店の紹介、その後のフォロー架電を行いました。

さらに、これらの会話内容や応対履歴などの顧客情報をCRMシステムに取り込んで分析し、その結果に基づく顧客獲得アプローチを行いました。
顧客情報の蓄積とデータ利活用により、確度の高い顧客の抽出を行うことによるフォローの優先順位付けや、トークスクリプト改善などが可能になり、業務効率化と申込率向上につながりました。

アグレックスのサービス紹介

アグレックスでは営業活動の効率化や多面的な顧客アプローチを目的としたインサイドセールスの支援が可能です。BtoBはもちろんBtoCやBtoEへも幅広く対応し、成約率の向上や販売促進、効率化に向けた顧客育成とデータ利活用支援を行います。

具体的にはコールセンターの立ち上げや応対履歴等の顧客情報の蓄積・データ分析、顧客管理システムの構築および各種データ連携など、インサイドセールス全般をアグレックスが担い、お客様の業務負担軽減や効率化を図ります。保険代理店向けや保険募集受付のインサイドセールス支援をはじめ、ご要望に応じて必要なチャネルを組み合わせ、顧客獲得の成功につなげるサポートを行います。

インサイドセールスのノウハウ不足や体制構築にお悩みの場合は、アグレックスの「マーケティング・インサイドセールス支援サービス」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

インサイドセールス成功の秘訣や支援事例を動画で解説!

「インサイドセールス成功のカギは、 顧客育成とデータ利活用 ~支援事例をもとにご紹介~」

インサイドセールス成功の秘訣を動画でわかりやすく解説しています。
動画の後半では、アグレックスのサービスを実際に利用している生命保険会社様にご登場いただき、インサイドセールスの取り組みとその成果や、アグレックスのサービスを利用した感想などをお話しいただいています。ぜひご覧ください!

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まとめ

インサイドセールスは顧客の意思決定に重要な役割を担うプロセスです。自社に興味を示した顧客に対して、収集したデータをもとに適切な方法とタイミングでアプローチし育成・信頼関係構築を行います。インサイドセールスの時点でいかに顧客を育成できるかがフィールドセールスの成否に影響するため、リードナーチャリング支援やデータ利活用支援のサービスを適切に活用し顧客獲得につなげましょう。

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