コラム
2024年9月12日

BPMで顧客のボトルネック特定を迅速化!効率的な提案のためのカギ

OCEB資格取得者インタビューvol.4 営業職

BPM
OCEB資格

BPMを用いてお客様のビジネスプロセス変革を支援しているアグレックスでは、最適なサービスを提供するべく「BPMスペシャリスト」の育成に注力しています。育成には、研修・勉強会を実施するほか、BPMを活用するうえで必要な知識を習得することができる「OMG認定BPM技術者資格試験(以下 OCEB資格)」の資格取得を推進しています。

OCEB資格をつうじて習得したBPMの知識・スキルが実業務にどのように活きているのか、BPMによりお客様にどのような価値提供ができるのか等、資格取得者(営業職)にインタビューしました。

BPMとは?

BPM(Business Process Management)は、企業が業務プロセスを体系的に分析、設計、実行、最適化し、継続的な業務改善サイクルを実現するための管理手法です。1990年代に台頭したBPR(Business Process Re-engineering)との違いは、BPMは単発的な変化ではなく、継続的な改善を目指す点にあります。市場や顧客ニーズが複雑化・多様化するVUCA時代において、企業がビジネスを継続・発展させていくために必要な取組として、昨今多くの企業で注目されています。

BPMのメリットとは?

BPMのメリットは、業務プロセスの透明性・柔軟性の確保と効率化にあります。業務プロセスが可視化されることで、どこに改善の余地があるかを把握しやすくなり、属人化の解消や業務の無駄・重複の排除、効率化を実現できます。また、市場の変化や顧客ニーズに迅速に対応できるようにプロセスを再設計・再構築するため、柔軟性のある組織づくりが可能となります。

OCEB資格とは?

OMG認定技術者資格試験プログラムは、IT業界標準における知識と熟練度を証明することができる世界標準の技術者試験で、世界130ヶ国以上で試験が実施されています。そのなかでも「OCEB(OMG-Certified Expert in BPM)資格」は、プロセスを分析してモデル化し、非効率性を特定、改善を実施して組織の戦略的成果を推進する能力を有することを証明する資格です。

ビジネスプロセスマネジメント事業統括本部 営業統括部 BPM営業第1部
主任

D. O.

本インタビューのサマリー
  • 生命保険会社様の経営課題の解決にむけて、各種BPO・システムソリューションを提案する営業を行っている。
  • OCEB資格で業務フローを体系的に整理する思考力が身についたことで、お客様の業務フローを整理してボトルネックを特定しやすくなった。そのおかげで、よりクリティカルな改善提案ができるようになった。
  • BPM手法を取り入れる際は、お客様の業務に合わせたオーダーメイド型の対応が必要になるが、その分効果も高く、顧客がやりたいことを効率よく実現できる。
  • 今後も、課題解決策の引き出しを増やすために資格やソリューションの勉強に努め、お客様の業務効率化を支援していきたい。

01 現在の業務内容について教えてください。

BPM営業第1部で、経営課題解決、事業計画の推進をご支援するための各種BPO・システムソリューションをご提案する営業をしています。具体的には、保険申込や保険金支払、顧客情報変更にかかる事務処理をデジタル化・自動化して、人的業務のDXを実現するサービスをご提案しています。また、コールセンターや事務のアウトソーシングをご提案することもあります。

多くの生命保険会社は、人口減少に伴って保険加入者が減少している影響で、利益確保のためのコスト削減と、人手不足を補うための業務標準化を課題としています。これらの課題を解決しお客様の経営戦略として目指す姿を実現するための施策をご提案しています。

02 資格取得にあたって、会社からどのようなサポートを受けましたか?

会社からは受験費用や教材費を補助してもらいました。eラーニングによる質の高い講義動画や練習問題を利用できたため、業務と並行して効率的に学習を進めることができました。

加えて、有志を集めたオンライン勉強会で試験の範囲内で分からないところを相談し合ったり、解釈が分かれる部分についてはどれが優位的な解釈かディスカッションできたのもありがたかったです。OCEB資格のテキストは英語を直訳した文章になっているため理解が難しい部分が多く、他の受験予定者の意見を聞いて自分の解釈が正しいのか確認し、誤った認識のまま勉強を進めないように努めました。頑張っている人が周りにいる環境に刺激をもらい、「自分もやらなくては」という意識が強まりました。

自己学習では、週ごとにマイルストーンを組んで平日の移動時間や休日に効率的に学習を進めました。受験した3月は決算期と重なり忙しい時期でしたが、上司の業務サポートにより、追い込み時期はしっかり勉強に集中できました。

03 OCEB資格取得によって、どのようなスキル・知識が身につきましたか?

業務フローを体系的に整理する思考力が身につき、生産部門メンバーが作成した業務フロー図も素早く理解できるようになりました。BPMN2.0という標準的なフロー図の描き方を学んだことで、プロセスにおける登場人物やその役割、実行する順番などが整理しやすくなり、業務の優先順位を明確にできるようになりました。

このスキルによって、提案準備における関係者間のタスクの順序や段取りへの意識が高まったと感じています。「このタスクを実行するとこういった情報が出るはずだから、このような準備をしてほしい」と具体的に業務を依頼できるようになりました。また、自社の見積書作成などのプロセスにも改善の余地があるのではないかと考えるようになりました。誰に何を判断してもらいたいのか明確にし、複数人が順番に確認していたプロセスを同時進行できないかなど、全体的な効率化への意識づけにつながったと思います。

04 OCEB資格は日常業務にどう活きていますか?

お客様の業務フローを整理してボトルネックを特定しやすくなったことで、1件ずつ丁寧に提案できるようになり、商談成功率が高まったと実感しています。

私が担当している生命保険会社様の課題として多いのは、紙を使用した資料の確認や管理のプロセスが煩雑で、業務フローを滞留させていることです。保険業界には慣れ親しまれた商慣習があり、紙書類での手続きはその典型です。そこで、エンドユーザー側は紙書類での手続きを継続しつつ、社内はデジタル化して管理する仕組みを導入することで業務効率を上げる提案などをしています。

さらに、提案に対するお客様満足度を高めるために、いただいたご相談内容だけでなく、お客様が抱えている会社からのミッションや経営戦略にも注意を払うことを大切にしています。例えば、業務改善としてDX化やシステム化が経営戦略に掲げられている場合でも、その目的が人手の工数削減なのかコスト削減なのかを理解する必要があります。全面的なシステム化が必ずしもコスト削減につながるわけではなく、コスト高になる場合もあるからです。このように、業務改善の起点であるお客様の経営戦略やミッションを理解して提案することで、真のニーズに応えることができると考えています。

05 営業職にとってOCEB資格はどのような意義があると思いますか?

案件相談のファーストカウンターである営業がBPMを理解することで、お客様から業務フローを伺った際に課題のあたりをつけやすくなり、より早くクリティカルな提案ができるようになると思います。また、提案内容がより実態に合ったものになり、現場との認識相違を減らすことができます。BPMの知識を持つ営業は、お客様の業務フローをヒアリングして、その中でどこにボトルネックがあるか、どこが非効率なのかをすぐに見極めることができるため、提案や要件定義にスムーズに移行でき、より効率的に成果を上げやすくなることが期待できます。

06 業務においてBPMはどのように活かされていますか?

BPMで業務改善を行うことで、社内の稟議や見積などの決裁プロセスを効率化でき、1件あたりの商談にかかる時間が短縮されました。結果、提案活動の量を増やすことができるだけでなく、BPMの知識が身についたことでお客様の課題を理解・把握する力が向上もしているので、より質の高い提案ができるようになったと感じています。営業の成果を構成する提案活動の量と質の両方を向上し、商談成功率や売上のアップに繋がったのが一番のメリットだと思います。

07 BPMの重要性についてどのようにお考えですか?

BPMは、人手不足を感じている企業にこそ必要だと考えます。業務の継続性を担保するためには、BPMによる業務プロセスの継続的な見直しや、BPOによる業務のアウトソーシングが必要不可欠です。

特に生命保険業界の場合、人材採用後の定着率が低下傾向にあり、働き手不足の会社が多いのが現状です。しかし、BPM手法を取り入れて、人に依存しないシステムやプロセスへと改善することで、業務品質の維持が可能です。また、BPOによるアウトソーシングはノウハウ維持と業務の安定稼働のために必要な働き手を確保する手段だという点が特徴だと思います。

BPM手法を取り入れる際はお客様の業務に合わせてオーダーメイド型に対応するため、事例をそのまま適用すればよいわけではありません。例えば、アウトソーシングの提案をした業務を詳しく見てみると、マニュアル化されていない専門的な技術や判断軸、セキュリティ的にアウトソーシングできないプロセスが判明するなど、実際に着手して初めて障壁が見つかり、お客様にとって難しい判断・対応をしていただかなければならない場合もあります。しかし、業務に合わせてプロセスを変革した分、業務効率化や会社の成長に大きな効果をもたらすはずです。特にこれからの時代は少子高齢化の加速によって労働人口の減少が見込まれ、どの業界でも人手不足が懸念されているため、BPMがどの企業でも必要になると思います。

08 今後、OCEB資格を活かしてどのような活動をしていきたいですか?

資格を活かして、アグレックスやお客様の業務を自らの提案で改善に導き、業務の効率化を支援していきたいと考えています。

さらに、課題解決策の引き出しを増やすために資格やソリューションの勉強に努め、さらに成長したいです。OCEB資格を保有していることで一定の評価を得られるものの、今回取得したのはファンダメンタル(初級)試験でした。さらに中級と上級のレベルを目指していくことが目標の一つです。

09 最後にお客様に伝えたいことがあれば教えてください。

アグレックスは、BPMを活用してバックオフィス業務や事務プロセスを変革するサービスを提供しています。私自身もBPMを学んだことで、プロセスのどの箇所にどのような改善を図ることができるか、結果どのような変革が起きそうかなど、サービスが与える効果や影響について理解が深まり、お客様により伝わりやすい説明や適切なご提案ができるようになりました。業務改善でお悩みの方はぜひアグレックスにご相談ください。

  • 記載している情報は、記事公開時点のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

コラムについてのお問い合わせ

関連コラム

関連サービス・導入事例