コラム
2024年8月20日

BPMで事務プロセスを最適化!事務作業のムリ・ムダ・ムラを減らす秘訣

OCEB資格取得者インタビューvol.1 事務職

BPM
OCEB資格

BPMを用いてお客様のビジネスプロセス変革を支援しているアグレックスでは、最適なサービスを提供するべく「BPMスペシャリスト」の育成に注力しています。育成には、研修・勉強会を実施するほか、BPMを活用するうえで必要な知識を習得することができる「OMG認定BPM技術者資格試験(以下 OCEB資格)」の資格取得を推進しています。

OCEB資格をつうじて習得したBPMの知識・スキルが実業務にどのように活きているのか、BPMによりお客様にどのような価値提供ができるのか等、資格取得者(事務職)にインタビューしました。

BPMとは?

BPM(Business Process Management)は、企業が業務プロセスを体系的に分析、設計、実行、最適化し、継続的な業務改善サイクルを実現するための管理手法です。1990年代に台頭したBPR(Business Process Re-engineering)との違いは、BPMは単発的な変化ではなく、継続的な改善を目指す点にあります。市場や顧客ニーズが複雑化・多様化するVUCA時代において、企業がビジネスを継続・発展させていくために必要な取組として、昨今多くの企業で注目されています。

BPMのメリットとは?

BPMのメリットは、業務プロセスの透明性・柔軟性の確保と効率化にあります。業務プロセスが可視化されることで、どこに改善の余地があるかを把握しやすくなり、属人化の解消や業務の無駄・重複の排除、効率化を実現できます。また、市場の変化や顧客ニーズに迅速に対応できるようにプロセスを再設計・再構築するため、柔軟性のある組織づくりが可能となります。

OCEB資格とは?

OMG認定技術者資格試験プログラムは、IT業界標準における知識と熟練度を証明することができる世界標準の技術者試験で、世界130ヶ国以上で試験が実施されています。そのなかでも「OCEB(OMG-Certified Expert in BPM)資格」は、プロセスを分析してモデル化し、非効率性を特定、改善を実施して組織の戦略的成果を推進する能力を有することを証明する資格です。

コーポレート本部 ビジネス推進部
主任

K. M.

本インタビューのサマリー
  • OCEB資格の学習を進める前から、「ムリ・ムダ・ムラを排除する」というミッションのもと、業務改善を日常業務として行っていた。
  • OCEB資格で得た知識は、業務プロセスの効率化やエラー削減の部分で活きており、ワークフローの自動化の仕組みづくり、ドキュメント管理の効率化など、多岐にわたる改善を実現。
  • BPMの役割は「空気の入れ替え」のようなものであり、ムリ・ムダ・ムラを放置してしまわないように、業務プロセスに改善点がないかを常に疑ってかかることが大切。
  • 今後もデジタル化・DX化といった時代の変化に柔軟に対応できるように、チームメンバーの教育だけでなくプロセス改善と効率化によって事務品質向上を目指しつつ、BPMの重要性を広めていきたい。

01 現在の業務内容について教えてください。

コーポレート本部にて、全社バックオフィス業務の集約・最適化推進を行っています。
具体的には、「全社バックオフィス業務のムリ・ムダ・ムラを排除した業務改善を行う」というミッションを掲げ、全社的に利用されている電子契約やEDI(Electoronic Data Interchange:電子データ交換)システムの管理、印章の押捺、取引先マスタの手続き集約化を担当しています。その他、販売事務手続きや請負派遣適正化のマニュアル作成、営業部門の契約書類のとりまとめなども行っています。

全社バックオフィス業務の集約・最適化推進の取組は、2023年4月頃に販売管理システムが導入されたことをきっかけに始まりました。見積書の作成から契約締結までをフォローするうえで、システムの安定稼働のために「ムリ・ムダ・ムラ削減」をキーワードに業務改善に取り組んできました。

02 資格取得にあたって、会社からどのようなサポートを受けましたか?

会社には、eラーニングの受講費用や受験費用を全額負担してもらいました。受験経験者や他の受験予定者を集めた勉強会も開催されたので、そこで自己学習時に感じた疑問点・不明点を解消できたほか、出題の傾向や試験会場の雰囲気などの情報共有ができたのがありがたかったです。

ちょうど受験時期が繁忙期と重なっていたため、休日の育児の合間や通勤時間などを学習時間にあてていました。ただ、細切れの学習だと非効率的だったので、試験前の2週間は最後の追い込みとして休日の育児を家族に任せて、まとまった時間で学習を進めました。

自分一人だけだとどうしても勉強へのモチベーション維持が難しい部分があったのですが、一緒に机を並べて勉強する仲間がいたこと、自分より先に受験した人が合格できたという声を聞けたことが、モチベーションアップにつながったと思います。

03 OCEB資格取得によって、どのようなスキル・知識が身につきましたか?

業務プロセスをフロー図に落とし込む手法や、改善点を検討する際の考え方が身につきました。もともと業務改善が自分のミッションだったこともあり、「日常業務で行っている事務プロセス改善の手法・方向性は間違っていない」ということを、学習を進める過程で確信できました。

また、業務改善の取組の重要性について周りのメンバーに説得力を持って語れるようになりました。私たち事務職は、迅速で不備のない事務処理を求められるため業務改善のための時間を取れない場合が多いのですが、業務改善の重要性や、工数削減・リスク削減などのメリットをきちんと説明することで、チームメンバーからの理解・協力を得られやすくなりました。

04 OCEB資格は日常業務にどう活きていますか?

OCEB資格勉強で学んだことは、事務処理の効率化・エラー削減に役立っています。

例えば、これまで営業から依頼される文書発行の申請はさまざまあり、物によって対応方法が異なっていました。その影響でイレギュラー対応が頻発し、管理工数の増大や事務処理ミスにつながって非効率的だったため、RPAを活用し、現在どのような処理が必要なのかを自動的に一覧化するなど、申請に必要な情報の完全性を担保する仕組みを作りました。この改善により、作業者による判断や手作業によるミスの軽減と工数の削減を実現できています。

そのほかにも、データ入力の自動化、ドキュメント管理の効率化などさまざまな事務処理においてOCEB資格で学んだ手法を取り入れています。一人ひとりのスキルに依存するようなやり方だと回らなくなってしまうので、業務プロセスをフロー図として書き出して全員の認識を揃えられるようにしました。

05 事務職にとってOCEB資格はどのような意義があると思いますか?

事務職は、誰でもできる簡単な業務と思われることが多いのですが、実際にはプロセスの分岐が多く、複雑化・属人化されがちな業務です。できる人が全部一人でこなしてもチーム全体の生産性向上には結びつきません。
ダイバーシティ&インクルージョンが重要なキーワードとなっている昨今、今後は「いかに多様なメンバーで業務品質を一定に保つか」という観点が重要です。業務プロセスの可視化を通じて、誰でも同じレベルで業務を遂行できる体制を整えることが必要だと思います。

OCEB資格は、その体制構築のために必要な知識・スキルを学ぶことができます。この資格は単なる知識の証明だけにとどまらず、実際の業務で効率化・平準化、組織の生産性向上に直接つながるものだと思います。

06 業務においてBPMはどのように活かされていますか?

BPMは、潤滑油や空気の入れ替えのような役割をしてくれるものだと思います。

事務プロセスの複雑化にはさまざまな要因がありますが、昨今はDX化の過渡期にあることも原因の一つだと思っています。例えば、電子契約を取り入れている会社と取り入れていない会社とでは、契約締結のやり方がまったく異なります。契約処理のやり方が変わるとその分業務プロセスが複雑化してしまうわけです。これを「一定のクオリティを保ちながら誰でも簡単にできる業務」にし続けるためには、BPMによって暗黙知を明示化したり、継続的に業務プロセスを見直したりして、空気を入れ替えることが必要不可欠です。

個人的には、プロセスの見直しには「常に疑ってかかること」が大切だと思っているので、従来のやり方に固執せず「業務の5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)に非効率な点がないか?」「今後あるべき姿はどうか?」を意識するようにしています。事務作業にはイレギュラーが付きものですが、非効率なままで常態化させないためにも、なるべくマニュアルに落とし込んだり対応者を都度変えたり、勉強会を開催したりしています。同時にそもそもイレギュラーが発生しない仕組みをつくるのも大切ですね。

07 BPMの重要性についてどのようにお考えですか?

少子化による労働人口の減少、働き方の多様性などの社会的背景により、今後は業務のムリ・ムダ・ムラの削減やプロセス標準化・平準化がこれまで以上に重要になってくると考えています。工数や処理不備リスクを削減するという目的も確かに重要ですが、誰か一人のスキルに依存せずに多様な人材が効率的に業務を進めるためには、業務プロセスの改善が不可欠です。そのため、BPMはどの企業でも必要なものになると思います。

08 今後、OCEB資格を活かしてどのような活動をしていきたいですか?

契約処理業務においては、契約管理プラットフォームやAIツールの登場により、今後もトレンドが目まぐるしく変化することが予想されます。また、アグレックスの取引先もグローバル化が進んでいる可能性があります。

今後の変化に迅速に対応できるように、時代に合った最新のツール導入や運用ルールの改定、そしてワークフローの申請者や事務処理対応者の教育などを、先頭に立って取り組みたいと考えています。OCEB資格で得た知識を活かし、これらの変化に柔軟に対応し、企業全体の事務処理の効率化と品質向上を目指していきたいです。

09 最後にお客様に伝えたいことがあれば教えてください。

私は事務処理の当事者として、BPMの重要性・有効性を日々の業務の中で実感しています。そういう意味で、私たち事務職はどちらかというと、業務効率化に課題感を抱えているお客様の立場に近いと思います。

また、当社が実践している事務処理DX化の取組は、どの業界・業種のお客様にも適用できるものだと思います。業務のムリ・ムダ・ムラの解消という部分でお手伝いできると思うので、お悩みの方はぜひアグレックスにご相談ください。

  • 記載している情報は、記事公開時点のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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